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聖書和訳に使われた聖書

漢訳聖書

漢訳聖書の最初の全訳はロバート・モリソンとウイリアム・ミルンによる1813年の『新遺詔書』と1823年の『旧遺詔書』そしてその合冊である『神天聖書』である。モリソンは漢文聖書を日本にも役立たせようと意識していた。1818年英国商船長ピーター・ゴードンに渡し、浦賀でひそかに船に来た2000人の漁民に配布した。

その後1854年にメドハーストが委員長を務めた代表委員会訳として、1852年『新約全書』と1854年『旧約全書』が出版された。その後米国の宣教師が「上帝」を「神」と修正したブリッジマン・カルバートソン版(新約1861年・旧約1862年)が成立し、和訳聖書明治元訳に使われたのはこの上海美華書館発行の版である。明治元訳聖書には漢訳聖書の固有名詞表記や書名の多くが引き継がれている。

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ジェームス王欽定訳英訳聖書(A.V.)

1611年にジェームス1世が英国国教会の典礼で使用するために訳出させた聖書である。荘厳で格調高い文体が美しい。ヘボンたちが明治訳の聖書を翻訳中に、英語訳聖書の改訂作業が始まり1885年(明治25)には改訂版(R.V.)が出版され、大正改訳に使われた。

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ギリシア語聖書

聖書の原本は残っておらず、残っているのは写本である。ルターの使用した聖書は1516年にエラスムスのまとめた『Textus Receptus』である。ギリシア語聖書は時代と共に参照できる写本が増え校訂が進み、現在は1913年にドイツの聖書学者エベルハルト・ネストレが初版を出し、その後クルト・アーラントが再校訂した『ネストレ・アーラント版』が再校訂されて現在28版まで校訂されている。

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